ECブランドがGoogle広告を始めるタイミング
Priya Raghunathan
Eコマース・パフォーマンスマネージャー
Google広告を始めるタイミングが大切なのは、Googleが主に、すでにある需要を取り込む媒体だからです。自社のブランドや商品カテゴリが検索されているなら、Googleの検索広告とショッピング広告は、買いたい瞬間の人の前に広告を出してくれます。まだ誰も検索していないなら、同じ予算はたいてい、Metaのような需要をつくる媒体のほうが効果を発揮します。
結論: Google広告は、4つの条件がそろったら始めます。ブランドやカテゴリが検索されていること、Merchant Centerのフィードが承認されていること、購入が注文金額付きで計測されていること、利益率にクリック代を払う余裕があることです。まず小さな指名検索キャンペーンを出し、次に商品の検索向けにショッピング広告かP-MAXを出します。予算は、月に少なくとも15〜30件のコンバージョンに届く額にしましょう。
まだ媒体を選んでいる段階なら、まずECサイトの広告媒体の選び方をお読みください。この記事は、Metaがすでにうまくいっていて、次がGoogleかどうかを判断しようとしている方向けです。
Google広告の準備ができたサインは?
ECブランドにとってGoogle広告で採算が取れそうかどうかは、5つのサインでわかります。どれも、お金を使う前に確認できます。表では、サインが欠けている場合にすることもまとめています。
| サイン | 確認方法 | 欠けている場合 |
|---|---|---|
| ブランド名が検索されている | Search Consoleの検索クエリ、キーワードプランナー | MetaやTikTokで需要をつくり続ける |
| カテゴリが検索されている | キーワードプランナーの検索ボリュームの予測 | 指名検索とショッピング広告だけに絞る |
| Merchant Centerのフィードが承認済み | Merchant Centerの診断 | ショッピング広告の前にフィードを直す |
| 購入が金額付きで計測されている | Google広告のコンバージョンのステータス | 注文金額付きでGoogleタグを設定する |
| 利益率でクリック代をまかなえる | 限界利益から出した損益分岐ROAS | 先に客単価か利益率を上げる |
検索需要。 Googleのキーワードプランナーでは、キーワードが毎月どれくらい検索されているかの予測を確認できます。Search Consoleでは、すでに自社サイトにたどり着くために使われている検索クエリがわかります。指名検索が毎月増えていれば、それはMetaがつくった需要をGoogleで取り込めるという最初のサインであることが多いです。
きれいなフィード。 Googleによると、ショッピング広告は、どのように、どこに広告を表示するかをキーワードではなく既存のMerchant Centerの商品データで決めます。不承認の商品は配信されません。タイトル、画像、GTINについては商品フィード最適化のチェックリストで解説しています。
金額付きのコンバージョン計測。 価値に基づく入札は、送られた情報に対してしか最適化できません。GoogleタグかGoogleタグマネージャーで購入を計測し、注文金額を渡し、フィードと同じ通貨を使いましょう。
利益率。 損益分岐ROASは、売上に占める限界利益の割合で1を割った数字です。限界利益率が50%なら2.0になります。計算方法は限界利益のガイドをご覧ください。
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カテゴリがまだ検索されていない場合は?
新しいタイプの商品を扱うブランドは、買える検索ボリュームがほとんどないことが多く、Google広告で予算を有効に使うのは難しくなります。その場合はまずMeta、TikTok、Snapchatで需要をつくり、Search Consoleで指名検索とカテゴリの検索を見守りましょう。
競合や転売業者が自社の名前に入札しているなら、小さな指名検索キャンペーンは最初から出してもかまいません。それ以外のGoogleの施策は、検索が出てくるまで待てます。
Googleで最初に出すべきキャンペーンは?
一般的な順番は、指名検索、ショッピング広告かP-MAX、一般キーワードの検索です。段階が進むごとに、取り込む需要の確かさが下がっていくからです。
- 指名検索。 完全一致とフレーズ一致で、ブランド名に絞った検索キャンペーンです。Googleの商標に関するポリシーは、商標をキーワードとして使用することを制限しない対象に挙げているので、競合は自社の名前に入札できます。指名検索キャンペーンがあれば自社の検索結果の上位を守れ、指名需要に実際いくらかかるかもわかります。
- ショッピング広告かP-MAX。 GoogleでのEC売上の大半はここから生まれます。標準ショッピングでは商品グループを使え、入札をより細かく管理できます。P-MAXはひとつのキャンペーンでYouTube、ディスプレイ、検索、Discover、Gmail、マップに届きますが、レポートで見える情報は少なくなります。両者のトレードオフは、Googleショッピング広告とP-MAXのキャンペーン構成のガイドで解説しています。
- 一般キーワードの検索。 「リネン 寝具」のようなカテゴリのキーワードは最後です。どの商品と利益率ならそのクリック代を払えるかがわかってから出します。
P-MAXを使うなら、自社ブランドをブランド除外に追加し、指名検索キャンペーンがすでにカバーしている指名検索の成果をP-MAXが取らないようにしましょう。GoogleのP-MAXについてのページによると、検索語句が検索キャンペーンの完全一致キーワードと同一の場合は、検索キャンペーンが優先されます。

Google広告を始めるには、どれくらいの予算が必要?
Google広告の初期予算は、入札戦略に必要なコンバージョン数から決め、アカウントが学習に十分なデータを集められるようにします。Googleのショッピング広告の目標広告費用対効果のページによると、目標広告費用対効果を使うには、ショッピングキャンペーンに過去30日間でMerchant Center IDごとに少なくとも15件のコンバージョンが必要です。
平均注文額60ユーロ、限界利益率50%のストアを例にした仮の計算です。
| 入力 | 値 |
|---|---|
| 平均注文額 | 60ユーロ |
| 限界利益率 | 50%、つまり注文1件あたり30ユーロ |
| 損益分岐ROAS | 60ユーロ ÷ 30ユーロ = 2.0 |
| 想定される購入単価 | 25ユーロ |
| 月の目標購入数 | 30件(最低ラインの15件の2倍) |
| 月予算 | 30 × 25ユーロ = 750ユーロ |
| 日予算 | 750ユーロ ÷ 30 = 25ユーロ |
| 内訳 | 指名検索に1日5ユーロ、ショッピング広告に1日20ユーロ |
想定どおり購入単価が25ユーロなら、750ユーロの広告費で30件の注文と1,800ユーロの売上が生まれ、ROASは2.4で、損益分岐の2.0を上回ります。購入単価が35ユーロになると、同じ予算で約21件の注文、1,260ユーロの売上、ROASは1.7で、損益分岐を下回ります。最初の1か月は、この数字を見守りましょう。
最初に使う入札戦略は?
最初の入札戦略は、アカウントにすでにあるコンバージョンデータの量で決まります。新しいアカウントは通常、コンバージョン値の最大化か、標準ショッピングでの個別クリック単価制から始め、コンバージョンが十分にたまったら目標広告費用対効果に移ります。
2026年6月から、Googleは「目標広告費用対効果を設定したコンバージョン値の最大化」を、単に目標広告費用対効果と表示しています。それぞれの選択肢と、目標を変えるまでにどれくらい待つべきかは、スマート自動入札のガイドで解説しています。
最初の目標広告費用対効果は、理想の数字ではなく、キャンペーンがすでに出している数字の近くに設定しましょう。Googleの目標広告費用対効果のページによると、目標は過去のROASを参考に設定すべきで、目標を高くしすぎると広告のトラフィックが制限されることがあります。
Google広告がうまくいっているかはどうわかる?
Google広告がうまくいっているといえるのは、Googleが良いROASを報告しているときではなく、追加の広告費とともにストアの総売上と新規顧客が伸びているときです。指名検索とショッピング広告は、Metaが連れてきた人も含め、もともと買うつもりだった人に届くので、ROASが高く見えがちです。
30〜60日たったら、次を比べます。
- MER(総売上 ÷ 総マーケティング費用)の、Google開始前と開始後。読み方はMERとROASのガイドで解説しています。
- 新規顧客。 Googleが主にリピーターに届いているなら、新規顧客獲得コストに表れます。
- Metaの広告費を減らしたときの指名検索。 指名検索のクリックも一緒に減るなら、Googleの成果の一部はMetaがつくった需要です。
Google広告を始めるときによくある失敗
初めてのGoogle広告アカウントが赤字になる理由の多くは、避けられるものです。
- フィードのエラーを残したままショッピング広告を始め、 一番売れる商品が配信されない。確認の順番はカタログ広告のトラブルシューティングガイドで紹介しています。
- 注文金額を送っていないため、 価値に基づく入札が最適化する対象を持たない。
- ブランド除外なしでP-MAXを使い、 実際より成果が良く見える。
- 指名検索とショッピング広告で利益が出る前に、 広いカテゴリのキーワードから始める。
- 30日分のデータがたまる前に、 予算と目標を毎週変える。
Wevionが役立つ場面
Metaから始めたブランドにGoogleを加えると、2つのアトリビューションモデルを持つ2つのダッシュボードを見ることになり、どちらも同じ注文の一部を自分の成果として数えます。
WevionはMeta、Google、TikTok、Taboola、Snapchat、Outbrainの広告アカウントを各媒体の公式APIで接続し、データを約15分ごとに同期して、すべてのアカウントの広告費と結果をダッシュボードひとつに表示します。Googleの指名検索とショッピング広告を、Metaのキャンペーンと並べて確認できます。
Google広告には、指標がしきい値を超えたときにキャンペーンを停止または有効化する、予算を割合で変更する、またはアラートを送るだけの自動化ルールを、クールダウンと1日の実行回数の上限付きで設定できます。ショッピング広告のフィードはGoogle Merchant Centerで管理したままです。Wevionのカタログ機能はMetaのカタログ向けで、Googleのフィードには対応していません。
Proプランの14日間トライアルで、自社の広告アカウントで試せます。開始時にカードは不要です。7日目、またはトライアルのクレジットを使い切った場合はそれより前にカードの登録をお願いし、登録した場合のみ14日目から課金が始まります。
まとめ
- Google広告は、ブランドやカテゴリが検索されていて、フィードが承認され、購入が金額付きで計測され、利益率にクリック代の余裕があるときに始めます。
- 最初に指名検索、次にショッピング広告かP-MAX、最後に一般キーワードの検索を出します。
- P-MAXでは自社ブランドを除外し、指名需要を1か所で測ります。
- 予算は必要なコンバージョン数から決めます。ショッピング広告で目標広告費用対効果を使うには月15件以上、できればそれ以上が目安です。
- Googleは、Google自身のROASだけでなく、MERと新規顧客で判断します。
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