P-MAXキャンペーンの構成:ECのためのガイド
Priya Raghunathan
Eコマース・パフォーマンスマネージャー
よいP-MAXキャンペーンの構成は、どの商品が予算と目標を共有するか、どのクリエイティブをどの商品と組み合わせるか、そしてキャンペーンがどの検索を追いかけてよいかを決めます。P-MAX(Performance Max)は配信の判断のほとんどを自動で行うので、構成は広告主が握れる数少ないレバーの1つです。構成が正しければ、Googleの入札は正確なシグナルをもとに動きます。間違えると、売れ筋の商品が予算を食いつぶし、残りのカタログはまったく表示されません。
結論: P-MAXキャンペーンは、予算と目標が許す限り少なく運用します。ROAS目標、利益率、国が異なるならキャンペーンを分けます。各キャンペーンの中では、商品のテーマごとに1つのアセット グループを作り、それをその商品に向けるリスティング グループ、最大50の検索テーマ、オーディエンス シグナルを設定します。ブランドの除外と除外キーワードはキャンペーン単位で追加し、新規顧客の獲得の設定は配信前に決めておきましょう。
P-MAXとMetaの同等の機能のどちらを使うか迷っているなら、まずPerformance MaxとAdvantage+の比較をご覧ください。このガイドは、P-MAXを選び、これから構築する前提で進めます。
P-MAXキャンペーンはどんな層でできているか?
P-MAXの構成は4つの層でできていて、それぞれが管理するものは異なります。
| 層 | そこで管理するもの | 上限(Google) |
|---|---|---|
| アカウント | キャンペーンの数 | 1アカウントあたりP-MAXキャンペーン100件 |
| キャンペーン | 予算、入札戦略、目標、地域、広告のスケジュール、ブランドの除外、除外キーワード、顧客の獲得 | 1キャンペーンあたり除外キーワード10,000 |
| アセット グループ | クリエイティブ、最終ページURL、オーディエンス シグナル、検索テーマ | 1キャンペーンあたりアセット グループ100、1アセット グループあたり検索テーマ50 |
| リスティング グループ | フィードのどの商品をこのアセット グループで表示できるか | 1アセット グループあたりリスティング グループ1,000 |
出典:キャンペーン、リスティング グループ、除外キーワードはGoogleのアカウント上限のページ、アセット グループはGoogle Ads APIのアセット グループのガイド、検索テーマは検索テーマのヘルプページ。

ここから導かれるルールはこうです。予算に関わること(予算、目標)はキャンペーン単位に、メッセージと商品に関することはアセット グループ単位に置きます。
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P-MAXキャンペーンはいくつ運用すべきか?
思っているより少なくします。キャンペーンを増やすたびにコンバージョンデータは分散し、P-MAXはポートフォリオでデータを共有することもできません。Googleの互換性の表では、ポートフォリオ入札戦略と共有予算は利用できないとされています。
新しいキャンペーンに分けるのは、カタログの一部に次のものが必要なときだけです。
- 異なるROAS目標。 利益率50%の商品はROAS 200%(1 ÷ 0.50)で、利益率25%の商品はROAS 400%(1 ÷ 0.25)で損益分岐になります。1つの目標では両方に対応できません。計算は損益分岐ROAS計算ツールでできます。
- 固定の予算。 何があっても予算をつけたい新コレクションや、決まった額以上を使わせたくない在庫処分のラインなどです。
- 専用の予算を持つ別の国や言語。
- オンライン販売に加えて来店を狙うなど、異なる目標。
商品カテゴリ、シーズン、オーディエンスに専用のキャンペーンは必要ありません。それはアセット グループとリスティング グループで扱います。
アセット グループはどう分けるべきか?
アセット グループは、クリエイティブ(テキスト、画像、動画、ロゴ)に、最終ページURL、オーディエンス シグナル、検索テーマを組み合わせたものです。Googleはこれを使って、Googleの広告枠全体に向けた広告を組み立てます。Google Ads APIの小売向けガイドでは、各アセット グループで異なる商品を対象にすることを推奨していて、たとえば商品セットごとにカタログを2つのグループに分ける例が挙げられています。
ECで実践的なのは、買い物客がそれとわかる商品テーマごとに1つのアセット グループを作る分け方です。「ランニングシューズ」「トレイルシューズ」「ソックス」のように分け、それぞれにその商品の画像、その商品についてのコピー、対応するコレクションページの最終ページURLを設定します。
同じ商品に対して、オーディエンス シグナルだけを変えたアセット グループを5つ作るのはやめましょう。オーディエンス シグナルはヒントであってターゲティングではないので、グループ同士が同じ人を奪い合い、レポートも読みにくくなります。
リスティング グループはどう機能するか?
リスティング グループは、Googleの商品フィードのどの商品をアセット グループで表示できるかを決めます。Googleの小売向けガイドによると、リスティング グループは少なくとも1つ必要で、一部の商品に絞り込むこともできます。カテゴリ、ブランド、商品ID、カスタムラベルなど、フィードの属性で細かく分けられます。
最も役に立つのはカスタムラベルです。利益率のレンジ、売れ筋かどうか、シーズンなど、フィードにもともと入っていない情報をラベルに入れておけば、それをもとにリスティング グループを作れます。「margin: high」のようなラベルがあれば、利益率の高い商品を、ROAS目標の低いキャンペーンに振り分けられます。
アセット グループ間でリスティング グループが重ならないようにしましょう。1つのキャンペーンの2つのアセット グループに同じ商品が入っていると、どのクリエイティブが売上につながったのかを正確に判断できなくなります。
検索テーマは何をするのか?
検索テーマは、サイトやフィードから学ぶ内容に加えて、アセット グループがどの検索に関連するかをGoogleに伝えるものです。Googleの検索テーマのページでは、次のルールが示されています。
- 1アセット グループあたり最大50の検索テーマ、それぞれ最大80文字
- フレーズ一致や部分一致のキーワードのように機能する
- ブランドの除外が適用される
検索テーマが検索キャンペーンより優先されることはありません。GoogleのP-MAXについてのページによると、検索語句が完全一致キーワードと同一の場合は検索キャンペーンが優先され、検索テーマの優先度はフレーズ一致や部分一致のキーワードと同じです。
検索テーマは、隙間を埋めるために使います。履歴のない新商品や、コンバージョンにつながるとわかっているのにキャンペーンが届いていない検索語句などです。追加する前に、検索語句レポートを読みましょう。
ブランドの除外と除外キーワードはどう使うか?
どちらも、P-MAXが配信できる検索にキャンペーン単位でかけるフィルタです。どちらも必要になるのは、P-MAXが、広告がなくても来ていたはずの安いブランド検索のクリックを取りにいきがちだからです。
ブランドの除外は、ブランドリストを使って、スペルミスを含む特定のブランドの検索でキャンペーンが配信されるのを止めます。GoogleのP-MAXの設定に関する記事では、キャンペーン設定の項目で解説されています。よくある設定は、自社ブランドをP-MAXから除外し、別のブランド検索キャンペーンでカバーする方法です。こうすると、ブランドの需要に実際いくらかかっているかがわかります。
除外キーワードは、現在キャンペーン単位で使えます。Googleは2025年4月の発表で、P-MAXキャンペーンあたりの上限を100から10,000に引き上げ、除外キーワードがリーチにどう影響するかを確認するよう勧めています。検索語句レポートに出てくる無関係な語句、たとえば「無料」「求人」、取り扱っていない競合商品などに使いましょう。
新規顧客の獲得の目標は使うべきか?
顧客の獲得の設定は、まだ購入したことのない人をP-MAXがどう扱うかを決めます。Googleの顧客ライフサイクルの目標のページでは、P-MAXに3つのオプションが挙げられています。
| モード | 動き | 入札 |
|---|---|---|
| 新規顧客の価値 | 既存顧客より新規顧客に高く入札する | 目標広告費用対効果またはコンバージョン値の最大化、購入の目標 |
| 価値の高い新規顧客 | 価値の高い新規の見込み客にさらに高く入札する | 目標広告費用対効果またはコンバージョン値の最大化、購入の目標 |
| 新規顧客のみ | 新規顧客にだけ入札する | コンバージョン数の最大化や目標アクション単価でも使える |
Googleは、顧客リストやウェブサイトのタグなどのファーストパーティデータから既存顧客を判別するので、先に最新のリストをアップロードしておきましょう。ほとんどのストアにとって、新規顧客の価値のほうが安全な出発点です。新規顧客のみはリピーターを完全に切り捨てるので、獲得予算が厳密な場合には合いますが、売上の合計は下がることがあります。2025年4月からは、新規顧客のみと新規顧客の価値のモードで、顧客獲得単価もキャンペーンの列に表示されます。
フィードだけのP-MAXキャンペーンは運用できるか?
独自のクリエイティブを入れず、商品フィードだけでP-MAXを運用し、ショッピングに近い動きをさせるストアもあります。Googleの小売向けガイドでもこの方法は確認できます。リンクしたMerchant Centerアカウントとそのフィードがあればアセットは自動生成されますが、リーチと成果は限られます。
フィードだけの運用は手抜きの近道ではなく、商品画像そのものが売りになるカタログ向けの、意図的な選択として扱いましょう。同じガイドによると、あとから独自のアセットを追加した場合、そのアセット グループはアセットの最低要件をすべて満たす必要があります。
P-MAXのレポートでは何が見えるか?
リリース当初より多くのことが見えます。Googleは2025年4月30日、検索、YouTube、Discover、Gmail、ディスプレイ、検索パートナー、マップを対象とするチャネル別レポートのページに加え、検索語句の完全なレポートと、アセット単位の表示回数、クリック数、費用、コンバージョンを発表しました。構成を変える前にこれらを読みましょう。弱いアセット グループの原因がクリエイティブなのかチャネルなのかがわかります。
ECの2つの例
例1:1か国、利益率がまちまち。 400商品で、利益率のレンジが2つあるストアの場合です。
- キャンペーンA、高利益率(50%): 目標ROAS 250%。損益分岐の200%に余裕を持たせた数字です。アセット グループは3つ(ランニングシューズ、トレイルシューズ、アクセサリ)で、それぞれのリスティング グループをカスタムラベル「margin: high」と各カテゴリで絞り込みます。
- キャンペーンB、低利益率(25%): 目標ROAS 450%。損益分岐の400%を上回る数字です。低利益率の商品全体に、アセット グループを1つ作ります。
- ブランド: どちらのキャンペーンでも自社ブランドを除外し、ブランド検索キャンペーンでカバーします。
例2:2か国。 ドイツとフランスで販売し、国ごとに予算が決まっているストアは、国ごとに1つのキャンペーンを運用し、それぞれ同じアセット グループの構成で、コピーは現地の言語にします。国で分けることで、予算と目標を別々に保てます。
P-MAXの構成でよくある失敗
- 商品カテゴリごとに1キャンペーンを作り、 予算も目標も変わらないのにデータだけが分散する。
- 同じキャンペーンのアセット グループ間で、リスティング グループが重なっている。
- オーディエンス シグナルをターゲティングとして使い、 オーディエンスごとに同じアセット グループのコピーを作る。
- ブランドの除外をせず、 ブランド検索のせいで報告されるROASが膨らむ。
- すべての利益率に1つのROAS目標を使い、 利益率の低い売上を赤字で買う。利益のほうがよい物差しである理由は、POASとROASのガイドで解説しています。
- 構成の問題を時間帯のスケジュールで直そうとする。 P-MAXは広告のスケジュールを設定できますが、時間帯別の入札単価調整はできません。Google広告のデイパーティングガイドをご覧ください。
入札戦略そのものは、Google広告のスマート自動入札ガイドで、目標、学習、季節性の調整を解説しています。
Wevionが役立つ場面
P-MAXのレポートはGoogleの中にあり、P-MAXを運用するストアの多くはMetaやTikTokも運用しています。比較するには、3つの管理画面と3種類の列を行き来することになります。
WevionはGoogle、Meta、TikTok、Snapchat、Taboola、Outbrainの広告アカウントを各媒体の公式APIで接続し、データを約15分ごとに同期して、すべてのアカウントの消化額、売上、ROASをひとつの画面に表示します。P-MAXとAdvantage+、TikTokを同じ数字で比較できます。
商品原価を加味する利益トラッキングはベータ版です。単一媒体の自動化ルールでは、停止、有効化、割合での予算の変更、アラートの送信ができ、クロスプラットフォームルールはベータ版です。Metaのキャンペーンも構築するなら、Meta広告のキャンペーン構成ガイドをご覧ください。
Proプランの14日間トライアルで、自社の広告アカウントで試せます。開始時にカードは不要です。7日目、またはトライアルのクレジットを使い切った場合はそれより前にカードの登録をお願いし、登録した場合のみ14日目から課金が始まります。
まとめ
- 予算に関わる判断(予算、ROAS目標、国)はキャンペーン単位に、メッセージと商品はアセット グループ単位に置きます。
- キャンペーンを分けるのは目標、予算、国、目的が異なるときだけです。P-MAXはポートフォリオを使えません。
- 商品テーマごとに1つのアセット グループを作り、リスティング グループは重ならないようにします。
- フィードのカスタムラベルを使って、利益率で商品を振り分けます。
- 隙間を埋めるために、1アセット グループあたり最大50の検索テーマを追加します。完全一致の検索キーワードは引き続き優先されます。
- 自社ブランドを除外し、除外キーワードを追加します(1キャンペーンあたり最大10,000)。
- 新規顧客のモードは配信前に選び、先に顧客リストをアップロードしておきましょう。
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