既存顧客の予算上限:Metaで同じ管理を再構築する方法
Rafael Moreira
シニア・パフォーマンスマーケター
既存顧客の予算上限は、MetaのAdvantage+ ショッピングキャンペーンにあった設定で、すでに購入したことのある人に使う予算の割合を制限するものでした。新しいAdvantage+ 販売キャンペーンにはこの設定がありません。現在、Metaのドキュメントでは2つの広告セットと消化額の上限を使う代わりの方法が説明されており、複数のECクライアントを運用する代理店は、その形で同じ管理を作り直す必要があります。
結論: MetaのマーケティングAPIのドキュメントによると、既存顧客の予算の割合は新しいAdvantage+キャンペーンでは使えません。過去の購入者への広告費に上限を設けるには、既存顧客をカスタムオーディエンスとして定義し、ひとつのキャンペーン予算の下で2つの広告セットを配信します。そのオーディエンスをターゲットにして消化額の上限を設定した広告セットと、そのオーディエンスを除外した広告セットです。配分のレポートには、広告マネージャの「Audience segments」の内訳を使います。
このガイドは、Advantage+全体を扱うAdvantage+キャンペーンの概要より範囲を絞っています。ここで扱うのは、ひとつの管理方法とそのレポートです。新規獲得がうまくいっているかを測るには、新規顧客獲得コストとあわせてご覧ください。
既存顧客の予算上限とは何だったのか?
既存顧客の予算上限は、Advantage+ ショッピングキャンペーンが既存顧客に使える上限を割合で決める設定でした。MetaのAdvantage+ ショッピングキャンペーンのドキュメントでは、このフィールドを「この広告アカウントに紐づく既存顧客に使える予算の最大割合」と定義し、値は0から100で、「値を低くすると、コンバージョン単価が上がる可能性がある」と注意しています。
既存顧客はMetaが推測するものではありませんでした。カスタムオーディエンスの集まりとして自分で定義し、同じページには対応するソースとして、ウェブサイト、アプリのアクティビティ、顧客リスト、カタログ、オフラインアクティビティが挙げられています。
代理店がこの上限を重宝したのは、クライアントと合意できる数字がひとつで済んだからです。「過去の購入者への広告費は20%まで」なら、ブリーフに書けて、確認も簡単です。
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上限はどうなったのか?
上限は、MetaがAdvantage+ ショッピングキャンペーンを、Advantage+ 販売という新しい形式に移す中でなくなりました。MetaのAdvantage+キャンペーンのドキュメントによると、Advantage+ 販売キャンペーンはAdvantage+ ショッピングキャンペーンと同じ自動化の機能を使い、広告マネージャではAdvantage+ 販売キャンペーンとして表示されます。
同じページには「existing_customer_budget_percentageフィールドは新しいAdvantage+キャンペーンでは使用できない」と書かれています。また、APIを通じた古いキャンペーンの扱いのスケジュールも示されているので、クライアントにまだ古いキャンペーンがある場合に役立ちます。
| マーケティングAPIのバージョン | リリース日 | 古いAdvantage+ ショッピングキャンペーンの扱い(Metaのドキュメントより) |
|---|---|---|
| v25.0 | 2026年2月18日 | APIから新規作成できなくなる |
| v26.0 | 2026年7月29日 | 従来のキャンペーンは編集できなくなり、停止される |
リリース日はMetaのGraph APIの変更履歴に基づいています。Metaによると、古いキャンペーンを新しい構成に移すには、APIではなく広告マネージャで複製します。古いショッピングキャンペーンのあるクライアントのアカウントを引き継いだら、まずステータスを確認し、次に説明する方法で作り直しましょう。
今、既存顧客はどう定義する?
既存顧客は今も自分で定義しますが、定義する場所は2つになりました。広告セットで使うカスタムオーディエンスと、レポート用のオーディエンスセグメントです。どちらも正しく設定することが、どのクライアントのアカウントでも最初の仕事です。
ターゲティング用のカスタムオーディエンス。 過去の購入者を表す、組み合わせたオーディエンスをひとつ作ります。ストアなら通常、ショップから書き出した顧客リストと、購入イベントを発生させた人のウェブサイトオーディエンスです。アップロード方法はMetaの顧客リストのヘルプページで説明されています。ソースの組み合わせ方はカスタムオーディエンスのガイドで解説しています。
レポート用のオーディエンスセグメント。 Metaはビジネスヘルプセンターの記事「Create audience segments in Meta Ads Manager」でこれを扱っています。Jon Loomerの解説によると、エンゲージしたオーディエンスと既存顧客は広告アカウントの広告設定で定義し、両方に当てはまる人は既存顧客としてだけ数えられ、そのセグメントはその広告アカウントの販売キャンペーンに適用されます。
顧客リストは定期的に更新しましょう。除外が効くのはリストに入っている人だけなので、最後のアップロードが半年前のリストでは、最近の購入者が新規獲得に戻ってきてしまいます。
2つの広告セットで上限を作り直すには?
上限の代わりになるのは、Advantage+キャンペーン予算と2つの広告セットを使うキャンペーンで、Meta自身がAdvantage+キャンペーンのページで説明している構成です。手順は次のとおりです。
- 販売キャンペーンを作成し、 予算をキャンペーン単位で設定します。
- 広告セットA:既存顧客。 過去の購入者のカスタムオーディエンスをターゲットにします。Metaが広げられる提案としてではなく、厳密なオーディエンスとして設定します。
- 広告セットAに消化額の上限を設定します。 これが新しい上限です。
- 広告セットB:新規顧客。 同じ設定とクリエイティブを使い、既存顧客のオーディエンスを除外します。
- 2つの広告セットの名前を クライアントをまたいで統一します。たとえば「existing」と「new」にしておけば、レポートでまとめられます。
仮の数字で例を挙げます。あるクライアントのキャンペーンの広告費は1日1,000ユーロで、ブリーフには過去の購入者への支出は15%までとあります。広告セットAの上限を1日150ユーロに設定します。広告セットBは残りの850ユーロを使え、広告セットAの消化が少ない日はそれ以上も使えます。以前の割合とは違い、上限は固定の金額なので、キャンペーン予算を変えるたびに更新しましょう。1日1,400ユーロなら、15%は210ユーロになります。
広告セットの消化額の上限と下限の動きは、CBOとABOの違いのガイドで説明したとおりです。上限はよく守られますが、下限はできる限り守るという目安にすぎません。新規獲得を強制するために広告セットBに下限を加えるのはやめましょう。その役割はすでに除外が果たしています。

上限はどう決める?
適切な上限はベンチマークではなくクライアントのビジネスモデルで決まるので、オンボーディングの時点で書面で合意しておきましょう。次の3つを確認します。
- ブリーフは新規獲得か、売上か? 新規獲得のブリーフなら、上限を低くし、新規顧客獲得コストの目標を設定します。
- リピート購入者の価値はどれくらいか? リピート注文が利益の大部分を占めるなら、高めの上限が合理的なこともあります。数字にする方法はLTVとCACの比率のガイドで解説しています。
- 他のチャネルですでに過去の購入者に届いているか? メールやSMSで安く呼び戻せているなら、広告費は重複している可能性が高いでしょう。
そのうえで毎月見直します。広告セットAが常に上限まで消化し、購入単価も低いなら、クライアントはリテンションへの投資が足りていないかもしれません。ほとんど消化しないなら、オーディエンスが小さいか、古くなっている可能性があります。
新規顧客と既存顧客の広告費はどうレポートする?
配分のレポートには2つの視点が必要です。Metaの数字は広告費がどこに使われたかを示し、ストアのデータは実際に誰が初めて購入したかを示すからです。すべてのクライアントで、毎月両方を使いましょう。
広告マネージャで。 オーディエンスセグメントを定義すると、内訳のメニューに「Audience segments」が表示され、結果を新規オーディエンス、エンゲージしたオーディエンス、既存顧客に分けられます(場所はJon Loomerが紹介しています)。2つの広告セットの構成なら、広告セットAの広告費がそのまま既存顧客への広告費です。
ストアで。 同じ期間の初回購入者の数をストアで数え、広告費の合計をその数で割るとnCACになります。Metaが新規オーディエンスの割合を健全と報告しているのに、ストアの初回注文が増えていないなら、Metaのセグメントでは新規でもブランドにとっては新規ではない人に届いています。原因はたいてい、顧客リストが古いことです。
クライアントごとに毎月シンプルな表を作っておくと、実態を見失わずに済みます。広告費の合計、既存顧客向け広告セットの広告費とその割合、ストアの初回購入者数、nCACです。
Wevionが役立つ場面
上限を作り直すということは、すべてのクライアントのアカウントで同じ構成、同じ命名、同じ月次の確認を続けるということです。代理店が大きくなると、まさにこうした定型作業が抜け落ちていきます。
WevionはMetaを公式APIにOAuthで接続し、Google、TikTok、Snapchat、Taboola、Outbrainとあわせてデータを約15分ごとに同期し、クライアントごとに専用のワークスペースを用意します。すべてのクライアントの既存顧客向け広告セットを、ひとつの場所から確認できます。
一括入稿では、テンプレートから2つの広告セットの構成を作れるので、どのクライアントも同じ設定と命名になります。ダッシュボードでは、アカウントとキャンペーンごとの広告費をひとつの通貨で表示します。自動化ルールでは、設定したしきい値を指標が超えたときに、広告セットを停止したり予算を変更したりできるほか、アラートを送るだけの設定も可能です。
Proプランの14日間トライアルで、自社の広告アカウントで試せます。開始時にカードは不要です。7日目、またはトライアルのクレジットを使い切った場合はそれより前にカードの登録をお願いし、登録した場合のみ14日目から課金が始まります。
まとめ
- 既存顧客の予算上限は、新しいAdvantage+ 販売キャンペーンでは使えません。
- Metaがドキュメントで示す代わりの方法は、ひとつのキャンペーン予算の下に2つの広告セットを置くことです。消化額の上限を設けた既存顧客向けと、既存顧客を除外した新規顧客向けです。
- 上限は固定の金額なので、キャンペーン予算を変えるたびに計算し直します。
- 既存顧客は、顧客リストと購入者のオーディエンスを組み合わせて定義し、定期的に更新します。
- 配分は「Audience segments」の内訳でレポートし、ストアの初回購入者数とnCACで確認します。
- Metaのドキュメントによると、古いAdvantage+ ショッピングキャンペーンはマーケティングAPI v26.0から編集できなくなり停止されるので、引き継いだものは作り直しましょう。
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